紬:柿泥・グラデーションライン [9/257]
商品詳細
織物ファンがしびれる、染め糸のグラデーション!
知る人ぞ知る「柿渋染め」の技法で、織物好きな方ほど惹かれます。
織のこだわり、染めのこだわりがたくさん詰まった職人技。
織の技は、節糸が経糸にも緯糸にも使われている事です。
特に経糸に節糸を使うというのは、織物通の方でしたら
どれだけ難しいかがお分かりいただけるかと思います。
経糸は通常、「筬(おさ)」という糸を打ち込みする大切な道具を通ります。
その筬は髪をとかす”くし”のような均等な隙間があり、
そこを経糸が通りますので、普通はこの帯のような経糸の太さが
バラバラの物は筬に糸が通りません。
それを、特殊な技法で織り上げてしまった着物。
織物ファンにとっては、どんな技法で織ったのだろう?!と
本当に不思議に思ってしまう、素晴らしい作品です。
また、染めの技は、多色遣いの先染め。
織り上げた時の色柄を想像して、糸を染め分ける。
この反物はあえて1か所にのみ、その技術を集結しています。
手描きの一筆のような、強弱を感じる一本線は
黄色から緑、青から紫のように色を変え、かつ
地色に沈んだり浮かび上がったりしながら続いています。
多色遣いで伸びるラインは、身頃や袖など
「一目で見える部分は全て違う色」で仕立てられそうな
ほど、その組み合わせがたくさんあります。
衿にラインを持ってくるか、衿を無地にして
衽(おくみ)にラインを入れるかによっても
雰囲気がかなり変わります。
お仕立て相談の段階から楽しめる一反です。
柿渋染めにはしては珍しく、先に染料で糸を染めてから
柿渋での染めも施しています。
柿渋染めで最終的に色を落ち着かせるため、その点も考慮して
染料で染める色合いの調整もしているところが、染めのこだわりです。
基本の「柿渋染め」は約1年にわたる「糸づくり」を経て
布に織り上げられる、たいへん手間のかかる技法です。
柿渋自体は、渋みの強い柿の果汁を発酵熟成させたもので、
主に1年〜3年ほど熟成させたものが使われています。
その柿渋液に「かせ」と呼ばれる糸の束ごと漬け、丹念に
揉みこんで均一に染めていきます。
その染め付けた糸かせを竿に広げ、天日で満遍なく干します。
この「天日干し」だけでも、毎朝天候を見て外に干し、
夕方には夜露に濡れないよう屋内へ取り込みながら、
3〜4か月にわたって続けられています。
こうして乾燥させた後、さらに色を安定させるために
約半年ほど寝かせています。
それからやっと、媒染の工程へと進むのです。
織元が使用している井戸の天然地下水は、身体に良い天然の成分
「重炭酸鉄」がたくさん含まれています。
天然染料である柿渋と、天然地下水の鉄分の融合、そこに
様々な染料が加わり、深い色合いが生まれています。
このように、長い時間と大変な労力をかけてできあがった
柿渋染めの糸は独特なハリがあり、生地に織り上がると
しっかりとした質感になります。
単衣でも袷でも、お好みでお仕立てできます。
島屋の店長が実際に、この工房に
数回勉強に行きました。
周りは山と畑しかないところでしたが
しっかりとした”本物”のものづくりをする工房です。
着物業界のプロが見ても
素敵なものばかりを作っています。
大量生産できる商品ではありませんので
一つ一つ、職人さんの思いが届く紬だと
思っております。
店内でインスタライブをしながらこの紬をご紹介しております。
https://www.instagram.com/p/CX7hw_nI4fB/
※セット写真はコーディネートイメージ(別売り)です。
【素材】 絹100% (反幅:1尺5分/約39.7センチ)
※ご覧いただいている環境によっては、
色味が違って見える場合がございます。
予めご了承下さいませ。